「あぁ…仕事が忙しくてなかなかバイクに乗る時間がとれない。」
「せっかくの休日なのに昼まで寝てしまった…。」
「何か天気悪いし乗るのは来週にしよう…。」
と、バイクになかなか乗ることができず、気が付けば1か月以上バイクに乗っていない…。
こんな経験をしているのは私だけではないはず。
そんな時に心配になるのが、
「バイクの状態は大丈夫だろうか?」
ということ。
バイクに乗らない期間が長くなるのに比例して、「さぁ、いよいよ久しぶりにバイクに乗るぞ!」という段階になって、いざバイクのエンジンをかけようとしたらエンジンがかからなかったりするリスクが上がります。
私自身、久しぶりに乗ろうとしたらバッテリーが上がっていたり、スイッチの接触不良が起きていてエンジンが始動できず、結局自宅でバイクのメンテナンスで休日が潰れたことが何度もあります。
バイクに限らず、機械は定期的に動かしてあげた方が調子が維持できるのです。
さて、あなたはこんなことを聞いたことはないでしょうか?
「バイクは乗らなくても定期的にエンジンをかけてあげた方がいい。」
実はこの意見にも賛否両論があります。
この記事では、バイクになかなか乗れなくてもエンジンを定期的にかけるべきなのかどうかについて考察していきます。
バイクに長期間乗らないと何が問題なのか?
そもそも、バイクに長期間乗らない場合どんな問題が生じる可能性があるのか?
代表的なものに次なような問題が挙げられます。
- ガソリンの劣化
- バッテリー上がり
- 可動部位の固着
どれも1ヵ月程度の放置程度で症状が現れる可能性は低いですが、季節やバイクの保管状況・使用状況によっては短い期間の放置であっても症状が現れる可能性があります。
賛成派の意見
バイクに乗らなくても定期的にエンジンをかけることについて賛成派の意見を見ていきましょう。
- エンジン内の可動部の固着を防げる
- エンジンオイルが内部を循環し油膜で保護してくれる
- バッテリー上がりを防げる
- キャブレター内に古いガソリンを残さないで済む
ふむふむ、賛成派の意見を見ると確かに定期的にバイクのエンジンをかけてあげた方が調子を維持できそうだ。
実際、私は夏場にバイクを2~3ヶ月くらい放置した結果、ガソリンを腐らせてしまいキャブレターやタンク内の掃除などで大変な経験をしたことがあります。
それ以来、私はガソリンの劣化だけには非常にシビアです。
反対派の意見
次に、エンジンを定期的にかける必要はないという反対派の意見を見ていきましょう。
- 暖気程度ではバッテリーは十分に充電できない
- 中途半端な暖気程度ではエンジン内に結露が発生し水が溜まる
- ガソリンもそんなすぐには腐らない
これらの意見も正しいと思います。
実際、バイクのバッテリーを充電するには最低30分程度は走行する必要があるという意見があるので、むしろ暖気程度ではバッテリー残量を減らしてしまう行為と考えることもできますし、ガソリンの使用期限は6ヵ月程度と言われています。
また、十分にエンジンが温まっていない状態でエンジンを止めてしまうと、空気中の水分がエンジン内で蒸発しきらずオイルに混じり、エンジンオイルの乳化を引き起こしてしまう可能性があります。
つまり、定期的にエンジンをかけるのは逆にバイクに悪い影響を与えてしまう可能性があるということ。
良かれと思ってやっていたことが逆効果になる可能性もあるのです。
エンジンを定期的にかけるかどうかの3つの判断基準
結論から言うと、賛成派と反対派の意見どちらも正しいです。
ではどうすればいいのか?
ご自身の考え方や状況、バイクの種類によって選択すればよいと思います。
その1.キャブレター車かインジェクション車か?
最近のバイクはほとんどがインジェクション車になりましたが、キャブレターを採用しているバイクに乗っている方もまだまだ多いと思います。
先に結論からいうと、
キャブレター車に乗っている方は定期的にエンジンをかけてあげた方がいいです。
キャブレターは構造上、外気と触れる部分が多くガソリンの蒸発や劣化を促進しやすいです。
実際に私も、夏場などの暑い季節に2週間程度でキャブレター内のガソリンが蒸発したようで、久々に乗ろうとした際にはキャブレター内にガソリンが溜まるまでしばらくスタータースイッチを押し続けてやらないとエンジンがかかりませんでした。
逆に、インジェクション車は燃料タンクからインジェクションまでの経路の気密性が高く、ガソリンの蒸発や劣化する可能性がキャブレター車に比べて非常に少ないです。
ですので、乗っているバイクがキャブレター車かインジェクション車かによって定期的にエンジンをかけるべきかどうか判断してみてください。
その2.居住環境で判断する
反対派の意見で
「中途半端な暖気程度ではエンジン内に結露が発生し水が溜まる」
というのがありましたが、
かといって、長時間の暖気はご近所の目などもあり厳しいという方も多いと思います。
ですので、あまりに住宅が密集している場所に住んでいるという方は定期的にエンジンをかけるのを諦めて、最低でも月に1回程度はバイクに乗る時間を作ることを考えた方が良いと思います。
結果的にあなたにとってもバイクにとっても一番良いはずです。
その3.あらかじめ長期間乗れないということが分かっている
この記事では基本的に、なかなかバイクには乗れないけれど最低でも月1回程度はバイクに乗りたいと思っている方に向けて書いています。
しかし、もしあなたが「寒い季節にはバイクに乗らない!」など長期間バイクに乗れないということがあらかじめわかっている場合には、エンジンを定期的にかけるということよりも、ガソリンを燃料タンクやキャブレター内から抜いておくなどの冬眠対策を考える方が良いと思います。
もちろん、乗らない期間の長さにもよるので必ずしも本格的な冬眠対策をする必要はありませんが、冬眠対策をしておいた方が再び乗る際に気持ちよくバイクに乗れるはずです。
まとめ
なかなかバイクに乗る時間がとれない場合、定期的にエンジンをかけるべきかどうかの賛否両論の意見はどちらも正しいです。
ですので、ご自身のバイクや状況・考え方によって判断してください。
ちなみに私は、以前にバイクを放置しすぎて痛い目を見ていますし、キャブレター車に乗っているので、バイクに乗る時間がなかなか取れなくても月に1回程度はエンジンをかけています。
ですが、乗る時間があるないに関わらず、定期的にメンテナンスをしてあげることは最も大事なことです。
定期的にオイルを挿すなどの簡単なことでもいいので、メンテナンスは怠らないようにしましょう。